幻の高級魚「くえ」を丸ごと堪能する
2009年の初めを仲間20数名と迎えることに。
今回食材に選んだのは「くえ」。
「くえ」とは、和歌山・高知などで特に高級魚として珍重される魚で、「ふぐより美味い魚」とも言われています。
ハタの仲間で、50mくらいの岩場に生息する海洋魚。単独で生活する為、非常に水揚げも少ないそうです。
今回は人数も多いので、3kgの養殖くえを3本購入。
養殖モノといえども合計6万円を超える高級食材です。
黒ずんで丸々とした体と、何ともふてぶてしい顔付きの魚です。
お世辞にも美味そうに見えませんね。
さて、くえの解体方法ですが、分厚い鱗がある為、「すき引き」という方法でリンゴの皮を剥くように包丁で鱗を剥いて(切って)いきます。
そして、鱗を取ると真っ白い肌が現れます。
お腹の中は、大きな胃袋や肝・腸が詰まっています。
さて、解体が終わり、調理に入ります。
まずは、刺身(薄造り)を紅葉おろし・ポン酢で頂きます。
歯応えがあり、旨味もあり美味。ふぐとタイが合わさったような味わいです。
続いて、唐揚げ。
火を通すことで、刺身とは全く違い、柔らかい食感。
ポン酢と良く合います。
次は、粗煮。
昆布・醤油・酒・ザラメで甘めに仕上げます。
酒の肴にピッタリの品です。
さーお待たせしました、くえで一番美味いとされる鍋。
くえの身・粗を野菜とともに昆布出汁で炊いて、ポン酢で頂きます。
うーん。ふぐ鍋も美味いですが、くえ鍋も負けていません。
さっぱりとした中にも旨味のある身と、くえの出汁を吸った野菜が良く調和しています。
そして、みんなが待っていた雑炊です。
美味い!くえの出汁がシッカリ出ているので、ポン酢もいらないくらいです。
さて、切り身・肝が残っているので、違った刺身をもう1品。
肝醤油で頂きます。
肝を良く叩き、醤油と混ぜます。
肝醤油をたっぷり付けて頂きます。美味過ぎます(涙)。
美味い出汁の出る魚なので、骨もしっかり活用します。
中骨を炙り、熱燗にした日本酒の入った鍋に入れ、骨酒にします。
本当に良く出汁の出る魚です。
さらに、同じく炙った中骨で炊き込みご飯も作ります。
米一粒一粒に、くえの出汁と醤油が染みて、こちらも美味しく頂けました。
高級食材「くえ」の実力を思い知らされた大満足のくえフルコースでした。
■食材提供 : 福井鮮魚(和歌山県)
- 投稿者 matsu